令和7年度 新人研修会(第2回)
令和7年8月11日、令和7年度新人研修会(第2回)が行われた。
プロ歴3年以内の北陸支部所属プロを、強力な講師陣(浦田・木戸・志多木・里木)が熱血指導。プロとしての所作・マナー・技術の向上をはかる。
☆浦田支部長あいさつ☆
「新人研修という名の通り、みなさんはまだ新人で、研修をしなければならない立場ということを重々自覚してください。この入会から3年間でどれだけハードに勉強できるかがカギと言っても過言ではありません。基本となる手順はしっかり固めていきましょう。講師陣も、真剣にみなさんの実力を底上げしようとしております。一生懸命教えますので、ついてきてください。」
☆木戸プロあいさつ☆
「身近にできる勉強を紹介させてもらいます。僕のおすすめは、日本プロ麻雀連盟の女流勉強会動画です。それを絶対に観てください。トッププロが解説してくれています。僕もよく観ているのですが、教え方が上手くてとても勉強になります。また、麻雀をしていく中でわからないことがあれば、講師や仲間に聞いてください。みなさん様々な意見があると思いますが、その中で自分のスタイルに合った打ち方を取り入れていけるといいと思います。まずは1本でも2本でもいいので、勉強会の動画を観てみてください。よろしくお願いします。」
☆里木プロあいさつ☆
「今回の研修はトーナメントの戦術ということで、トーナメント戦のコツを伝えていきたいと思います。トーナメント戦でのリーチ判断は普段の麻雀と全く違うと僕は思っています。普段なら絶対にリーチする場面でしなかったり、絶対にリーチをしない場面でしたりということがたくさんあります。そういうところをメインで教えていきたいと思います。もしリーチ判断で迷ったら聞きに来てください。僕なりの答えをお伝えします。」
☆志多木プロあいさつ☆
「昨年も、”手牌1秒、あとは卓上を見ろ”ということをお伝えしたかと思います。今年もまずそれを伝えたいと思います。牌理を理解できずに、打ちながら迷っているようでは、麻雀になりません。この牌が来たらこれを切る、これを鳴く、というようなことは、瞬時に決めて打てるようにならなければいけません。みなさんには、北陸支部といえばあのプロは強いぞ!と言われるプロになってもらいたいです。今年も講師4人でしっかり指導しますので、たくさん覚えていってもらえたらなと思います。」
☆講義☆
あいさつの後に、浦田支部長による講義が行われた。
「相手との点差を知りましょう、という話はよく言われていることかと思います。これは特にトーナメント戦では大事です。何をアガるとどれだけの差が埋まるということを頭に叩き込むことは前提として、もう一点、”順位点差”を覚えておくことも重要です。例えば、『あの人は今2着で+4だけれども、30,000点以下に沈めることが必須だから△4として、そうなると今の差から8縮まるから、自分の立ち回りはどうするか』というようなことが瞬時にわかるようになりましょう。
また、自分が大きく抜けた1位抜けのAパターン、競っている2着目のときのBパターン、ダンラスで大きな加点が必要なCパターンなど、いろいろな状況があるかと思いますが、どのパターンでも勝ちへのルートを考えておくことが大切です。マイナスの場合は、最終戦までに勝ち上がりポジションから50P以内の位置につけておきましょう。一局で30Pくらいは動かせますので、一半荘で50Pくらいが目安かと思います。
先ほど里木プロのお話にもありましたが、リーチ判断についてもお伝えします。最終戦でAパターンの場合は、基本的にリーチを打たないような手組にします。ダントツの状況からリーチを打ってノーガードになることは良くありません。リーチを打たないようにしようと思うと、一打目からしっかり考えなくてはいけません。なんとなく四メンツ一雀頭を作って、テンパイしたからと言ってリーチして無防備になっていると、捲られに繋がります。
最後に、私がAパターンのときに気を付けていることをお伝えします。仕掛けた混一色をしないことです。門前なら守備力がありますが、鳴いてしまうと降りるのが難しくなり、自分で自分の首を絞めることになります。要するに、安全牌となる字牌等が手の中にない仕掛けはしないように私は心掛けています。Aパターンの場合は最悪、親の役満をツモられなければOKなので、局消化をしていくことが大切です。」
講義中の様子(左から日水・栄田・宮川・百瀬)
☆実践☆
今回参加者(敬称略)
山田・月野・栄田・日水・夏野・中川・宮川・百瀬
・2卓に別れ、半荘2回のトーナメント戦を2回行う。
・最終戦開始時、南入時に現状の把握
・オーラス開始時には2位内条件(5分以内目標)を各自発表し、条件に合う対局を行う。
☆実践終了・総活☆
トーナメント方式の対局においてはリーチ判断が全く違うというお話を里木プロからいただいたが、リーチ判断以外にも違うことがたくさんあり、筆者はまだトーナメント戦で考えるべきことを考えられていないことを痛感した。
トーナメントでは自分一人だけが勝てばいいわけではなく、協力者がいることや、ターゲットにしなくてはいけない相手がいることを考える必要がある。状況に応じて、自分に打点は必要か否かや、誰に何をしたらいいかを考えて変えていかなくてはならない。絞りや差し込みもいつも以上に重要になってくる。押し引きのバランスもいつもと大きく変わる。
ひとつひとつをしっかりと理解してできるようにならなくてはならない。そのためには志多木プロのお話にもあった、自分の手牌について考える時間を少なくすることが重要である。
筆者は、木戸プロのお話にあった女流勉強会をさっそく観てみることにした。全てはまだ視聴できていないのだが、1本観ただけで、歴の浅いプロは必ず観るべきだと感じた。実際に対局ができなくても学習できるツールはたくさんあるため、それらを活用して知識を深めていきたい。
執筆 夏野 千代
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