令和7年度 新人研修会(第3回)
令和7年10月19日、令和7年度新人研修会(第3回)が開催された。
プロ歴3年以内の北陸支部所属プロが、経験豊富な講師陣(浦田・木戸・志多木・里木)の下、プロとしての所作・マナー・技術の向上を図る。
今回も、実践形式での指導に先立って、講師陣のあいさつ及び講義が行われた。
【木戸プロのあいさつ】
木戸「トーナメントの戦い方というのは年々重要になってきています。序盤、中盤、そして終盤の戦い方というのを身につけていただければ、勝ち上がりの可能性が上がると思いますので、是非モノにしてください。」
【志多木プロあいさつ】
「牌効率というのは、“おはようございます”や“お疲れ様でした”を言うことのように、当たり前に出来ていないといけないことなので、まずはそこを完璧にこなせるようになってください。」「研修会に参加されている皆さんの目から、プロになりたての頃に持っていた輝きが少し失われているように感じます。自分が何を目指してプロになったかというのを今一度思い出して、研修会に臨んでいただきたいと思います。」
【里木プロあいさつ】
「毎回テーマを持ち込んでいるのですが、今回のテーマは“ベタオリ”についてです。放銃したくない時に放銃しないというのはすごく大事で、特にトーナメントでは守備力が非常に重要になります。特定の相手に放銃してはいけない場面で、その人に対して安全な牌を持つ、というような戦術的なところを、今日はお話ししたいと思います。」
【浦田支部長あいさつ】
「トーナメントでは、受ける場面、受けないといけない場面というのが必ず訪れます。他者に任せておけばいい局面での放銃というのは、相手に勢いを与えてしまいます。ターゲットは誰なのか、親は誰なのかということを頭に入れておいて、いつリーチが来てもいいように前もって考えておく必要があります。リーチが来た時にハッと顔を上げているようでは、まだまだということです。」「絶対に受けなければいけない場面で、ワンチャンスの牌やスジの牌、あるいは2枚しか見えていない役牌を受けに使う人が見受けられます。安全牌がない状況で打つならまだしも、それらを第一候補だと考えているようではプロとしてはいけません。安全牌がない状況であっても、どう受けるかというのを皆さんには考えてもらいたいです。」
【講義】
写真のような牌姿で、ドラが九であることだけが伝えられた。まず親や点数状況を無視した平場でなら何を切るかという問題が提示された。
浦田「この場合はソーズか中を切ることになると思います。⑥切りも不正解ではないのですが、これは47か四七を引いたら必ずリーチに向かうという手順ですよね。競技麻雀においては、リーチをしたくないという場面が少なくないので、この場面なら中などを切っても良いですよね。」
「ただ、状況がガラッと変わればどうなるでしょうか?例えば、トーナメントの最終半荘、自分が大きく負けている時の南場の親番なら何を切りますか?絶対に親番を落とせない状況なら、中をポンできるようにしておきたい、当然47や四七を引いたらリーチをしたいという点から、⑥切りになりますよね。もちろん、56や五六八九を引いてもポンテンがとれる形にできます。」
「これがもし、中が持ち持ちなことが予想されて切りたくないという場面だったら、点数を持っている子番だったら、また切る牌が変わると思います。同じ牌姿であっても、状況に応じて打牌が変わるということを覚えておいてください。」
【実践】
今回の参加者(敬称略)
月野・栄田・髙地・中川・日水・瀧根・百瀬
・黒子を入れて2卓に分かれ、半荘2回のトーナメント戦を2度行う
・最終戦開始時に現状を確認
・最終局開始前に各自勝ち上がり条件の計算を行い、それに応じた対局を行う
【対局・指導の様子】
卓内左から瀧根克登志プロ・月野桜悠プロ・中川竜伍プロ、対局を見守る浦田支部長と里木プロ
黒子をしながら対局を観察する志多木プロ
卓内左から栄田勇作プロ・百瀬あいプロ・髙地真生プロ・黒子の松原健志プロ、対局を見つめる木戸プロ
【総括】
これまでの回も含めて、仕掛け・押し引きなどの状況判断で指導を頂くことが多くあり、加えてミスに等しい打牌も厳しく指摘され、自身の未熟さを痛感した。
冒頭のあいさつにも挙げられた「放銃してはいけない相手に放銃」をしたことが響き、勝ち上がりを逃す場面があった。各者のポイント状況をしっかり把握できていれば恐らく防げていた放銃だっただけに、「公式戦ではなくて心底よかった」と思うばかりである。条件計算を含めた状況判断能力は引き続き鍛えていかなければと強く感じた。
自分自身、トーナメント形式で行われる各タイトルの予選などを何度か戦ってきたが、勝ち上がりの経験が乏しい。この研修で得たことを余すことなく活かせるよう、次回以降も臨みたい。
執筆 髙地 真生
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