雷鳥位戦(新名称)誕生秘話
2月24日 夜
その日、私日水亮輔は多くの北陸支部員とかかわりを持つ時間を過ごしていた。
プロ1年目にして北陸プロリーグのAリーグ入りを果たした瀧根プロからの飲みの誘いに対して華麗に切り返してみたり、
(繁忙期の瀧根プロ。お疲れ様です)
近々活躍著しい第8期北陸プロリーグ優勝者の志多木プロからの爆盛りチャレンジの誘いに恐怖したり、
(ポコペンポコペンダーレガツツイタ…)
北陸支部員3名が同卓する龍龍を見ながら「おいおいおい宮川さんの麻雀若々しすぎやろ笑」など軽口を叩いたりしていた。
(33期成田・40期宮川・41期鈴木。東パツ3巡目親リーは6000allスタートでした)
そんな中、私のスマホから通知音が鳴る。北陸支部のグループラインだった。
そこには第9期の北陸プロリーグの名称が『雷鳥位戦』に変更すると書かれていた。
実は北陸支部では1月下旬から北陸プロリーグの新名称を決める試みを行っており、
支部全体のまとめ役の一人として私が携わっていたのだ。
(そうか雷鳥位戦で決まってくれたか。よかったよかった…)
そう安堵していた矢先、再びスマホが鳴った。
今度は私個人宛。藤本副支部長からのラインだった。
その文面を見た瞬間「ウソでしょ?」と自然に声が出ていた。
文面にはこう書かれていた。
『広報からお願い
"3月半ばにXで新名称発表したい
それにともないサイトに記事書いてほしい"
経緯やドタバタ含めて、おもしろく』
『『『おもしろく』』』
いつもはレスポンス良く返信することがモットーの私ではあるが、こればかりは躊躇した。
(おもしろくって…ハードル高すぎません藤本さん…???)
たしかに名称変更の経緯は知っているし、その最中に起こったドタバタは今思い返せば面白いとは思う。
しかしその記事が発表される媒体が北陸支部の公式サイト。私の文章のテイストと大きく違うのだ。
『文章を書く→公表する→叱られる→北陸支部クビ』
容易に想像できるのだ(誇張)
5分。悩みに悩んで決断した。
藤本副支部長に返信するためスマホを操作し、送信ボタンを押した。
(決意のゆるスタンプ)
書きましょう…。クビ覚悟で…書きましょう!(誇張)
時は遡り、1月29日㈭9時58分
1つのメッセージが北陸支部グループラインに入る。藤本副支部長だ。
『北陸プロリーグ名称変更の件
北陸も来期(第9期)より変更する運びとなりました。
そこでみなさんから提案いただき得票で決めたいと思います。
① 各自提案(2/6まで)
② ①から各自3つ選ぶ
③ ②を多数決(最多)で決める
④ ③の内容を検討
⑤ 決定
以上、ご協力お願いします。』
(へぇそうなんだー)
たしかに他の本部支部は名称入りのリーグ戦になっているものがほとんどだ。
それでも北陸支部は『北陸プロリーグ』のまま行っていたので、今後も継続するものだと思っていた。
(ちょっと考えてみますかぁ。良い名前になるといいねぇ…)
その時はこの程度くらいにしか考えていなかったが、ここからあのようなドタバタに巻き込まれていくことになるとは思ってもみなかった…
1月29日㈭ 23時30分
夜も更けて心穏やかに過ごす中、スマホの通知音が鳴る。
『いますこし時間ある?』
私たちの電話はいつもこんなやり取りから始まる。ムード漂う話などでは決してない。藤本副支部長だ。
藤本「今日北陸支部のグループラインに北陸プロリーグの新名称の件で連絡あったでしょ?」
日水「あー連絡来ましたね。遂にって感じですか」
藤本「そうそう。それで投票の集計を日水さんにやってもらいたいんだけど…いいかな?」
こういった支部の仕事はいつも二つ返事で引き受けてきたので今回も勿論快諾することにした。
日水「全然いいですよー」
藤本「ありがとー助かるー。投票はどうする?LINEのアンケート機能とか使う?」
日水「あー他の案件でグーグルフォームの機能使いたいなって思ってたのでその予行練習かねてって感じで…いいですか?」
藤本「いいですよ。了解です」
日水「じゃあまた名称案まとまったら連絡ください」
藤本「はいーそれじゃあおやすみー」
2月7日㈯ 11時
前日の2月6日までが各自提案の締め切りだったので藤本副支部長に連絡を入れることにした。
日水「昨日が北陸プロリーグの名称案締め切りだったと思うんですが集まりました?」
藤本「ちょっと待ってねー今転送します」
送られてきた名称案を見て驚いた。
名称案かぶり無しでその数31個!
思っていたよりも多すぎる…
(みんなやる気ありすぎやろ…笑)
全ての名称案をどのように見せればアンケートの投票結果に影響を与えないか…腕の見せ所である。
藤本「事前に藤本がチェックすることできたりする?」
日水「それはできると思いますよ」
藤本「できるならしたい」
日水「明日作るつもりなのでまた連絡しますー」
藤本「了解です」
2月8日㈰
この日私は金沢にある麻雀荘に来ていた。
私自身が麻雀を打つ訳ではないが、北陸プロリーグ入れ替え戦がありそのお手伝いにきていたのだ。
(当日は北陸支部Xアカウントの中の人をやったりしていました)
対局を観戦しつつ、合間を縫ってアンケートの内容を作成…
所謂『内職』ということなのだが、昔から得意だ。
だがしかし、ここから落とし穴に嵌まってしまったのだ。
日水「名称案のアンケートフォームが完成したので内容確認お願いします」
藤本「見れないけど…?」
日水「(おかしいな…)通知入れてアクセス権付与したつもりなんですが…」
ここで思い出して頂きたい事実が1つある。
藤本副支部長と日水…2人ともいい歳をしたおじさんなのだ。
2人ともちゃんと学習こそすれ専門外。そこで想定外の事案が起こると弱いのだ。
(なにがなるほど…なのか。さっぱりわからない)
ここから1時間ほどあーだこーだやり取りしてようやく事前チェックが完了し、
本番のアンケート投票は次の日の2月9日に公開することとなった。
眼前では来期北陸プロリーグをAリーグで戦おうをするべく熱い闘牌が行われていた。
しかしその近くで2人、北陸支部の為に戦っていた者(おじさん)がいたことを知っておいて欲しい。
2月9日㈪ 22時3分
アンケート投票当日。私は北陸支部のグループラインにアンケート投票のリンク先を送信した。
(あとは一旦締め切り日を待つだけだな…)
そう安堵しつつもちゃんと投票されるか気になるところ…万が一もある。
私は最初に誰かが投票されるのをアンケート投票ページで待った。そして…誰かの一票が投票された。
アンケート投票は正常に機能していた。
(流石にもう大丈夫でしょ。今日は久しぶりに早く休むとしましょうかねー)
そう考えてPCの電源を落として寝る準備をしようとした…が、その矢先にスマホが鳴った。
ある程度人生を歩んできた経験上、このタイミングで来る連絡は良いパターンな訳がない。
恐る恐るスマホの画面を見る。
ラインだった。そして相手は…北陸支部の小林プロだった。
絶対になんかあったやつだと瞬時に理解した。
小林「大変申し訳ないのですが、投票しようとボタン押してたら選択肢から無くなってしまったかもしれません💦」
泣いた。
急いでPCを起動し、アンケート投票ページを開き状況を確認する。
選択肢が消えていた。
1つではない。5つ消えていた。
その事実を確認し、急いで北陸支部グループラインに
『申し訳ございません。一旦アンケート停止させて頂きます。』
とメッセージを入れた。メッセージを入れた時も泣いていたと思う。
その後、消された選択肢を再度復活させ、セキュリティをガッチガチに固めてアンケートを再開。
ただセキュリティを固めている間も小林プロがどうやって消したのかまでは分からなかった。
本当に恐ろしい男である。
(後日の練習会の小林プロ。開口一番「大変申し訳御座いませんでした」)
2月15日㈰ 21時
アンケート投票の結果が出た。
白嶺位…8票
陸王位…8票
越陸位…5票
雷煌位…5票
雷鳥位…5票
海皇位…5票
今後はこれらから再度アンケート投票を行い、最多数の名称案の内容を検討する流れとなる。
私はこの最終投票に残った案を見て…1つだけ気がかりなことがあった。
(うーーん…みんな分かっているよね?大丈夫だよね…?)
そう考えて最終アンケートのフォームを作成し、翌日の2月16日に最終アンケートを開始した。
2月19日㈭ 22時
アンケートの途中経過を確認して「えっ!?」と声が出る。
2月21日㈯ 9時42分
最終アンケート投票最終日
アンケートの途中経過を確認して真顔になる。頭の中に法被を羽織った有名人の姿が思い浮かぶ。
最終アンケートは日付を跨がずに締め切りとなるのだが、それを待たずに寝ることに決めた。
2月22日㈰ 8時24分
最終アンケートを確認した。
1位 …陸王位
1位タイ…雷鳥位
3位 …白嶺位
4位 …雷煌位
5位 …越陸位
5位タイ…海皇位
恐るべし池井戸パワー。そりゃ役所広司さんも「俺たちの陸王だ…ッ!!!」って言うよ(違)
私、日曜劇場で『陸王』見てました。なんなら『半沢直樹』も『下町ロケット』も見てました。
ビジネスマンや経営者の心を掴むものがありますよね。でも今はそれ以上に『権利問題』が怖いのだ(現実)
頭を抱えつつも藤本副支部長に最終結果を連絡した。
藤本副支部長からの返信は無かった。多分同じく頭を抱えていたのだと思う。
そして2月24日、数多くのドタバタを経て北陸プロリーグが新名称として「雷鳥位戦」へと変更することとなった。雷鳥とは北陸に連なる山々になどの高地に生息する鳥であり、北陸の地に相応しい名称だと思う。雷鳥位戦と名称は変われども熱いリーグ戦に変わりはないので、是非雷鳥位戦の内容にご注目頂きたい。
執筆者 日水亮輔
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